ジャンパオロ・ズグーラのトラマーリ

アートとワインの自然な融合を讃えて、「トラマーリ ロゼ」のラベルを画用紙やキャンバスとみなして、アーティストに思いのままに描いてもらうサン・マルツァーノワインのTramArtプロジェクトは、今年で連続4回目を迎えます。今回のタイトルはTRAMSFISGURATION(トランスフィスグレーション)です。

「トラマーリ ロゼ・ディ・プリミティーヴォ」のラベルデザインを手掛けるのは、写真家のジャンパオロ・ズグーラです。TramArtが美を語る表現手段としてこれまで扱ってきた絵画の世界をいったん離れ、今回は写真を用います。

ジャンパオロ・ズグーラのトラマーリと麗しき「怪物」たち

ズグーラのインスピレーションはTRANSFIGURARE(変貌)のコンセプトにあります。trans- «超える、変換する» と figurare «形を与える»から形成されたこの言葉は、形や外観を変えること、または表現上だけでもそれらを変えることを意味します。言葉遊びから偶然生まれたTRAMSFISGURATIONというウィットに富んだネーミングも魅力的です。さまざまな眼差し、表情、テクスチャ、色彩を集めて、魔法のようなコラージュで麗しき架空の「怪物」を作りました。ジャンパオロ・ズグーラ自身が、著名人やトップモデルの象徴的な写真を切り抜いて変形したり貼り合わせたりすることで、いつもとは一風異なる顔を作り上げました。こうして誰だかわからないほどTRAMSFISGURATI(変形された)顔が出来上がりました。

作者について

分野を横断する性質のこのプロジェクトには、ジャンパオロ・ズグーラが特別にいつもとは異なり、写真家ではなくアーティストとして参加しました。ファッションフォトグラファーとして有名なジャンパオロ・ズグーラは、過去20年間にファッションの魂、セレブリティ、文化的変革をカメラで捉えてきました。インスタグラムで情報を拾う若者たちから主要ファッション誌の定期購読者層まで、異種の人々が幅広く混在する観衆へ語りかける能力と横断性を備えたズグーラの写真が世界のさまざまな地域で出版されるヴォーグ誌の表紙を飾った回数は今日すでに100回を超えています。これまでにズグーラのカメラが捉えてきたのはトップモデルやスーパーモデル、国際的に著名な俳優、スポーツ選手、歌手たちにとどまらず、しばしば白黒写真を使った一般人の姿も被写体となっています。これをズグーラ自身は「(白黒写真では)時間との戦いという不平等な戦いへ挑む夢のデモクラシーが楽しめる。時間を止めることができるような錯覚を私は楽しむのだ。」と語っています。

プッリア州のオリーブオイル生産農家に生まれ、ミラノで建築を学びながら美意識を深めました。クリエイティブな世界への道を進んでいるうちに、独学で徐々にファッション界へと転じ、最終的には写真の道に収まりました。リチャード・アヴェドンやアーヴィング・ペンなど先見的思考をもつ写真家のほか、イタリア映画や自己の起源にも影響を受けています。ファインダーを通した彼の眼差しは、今の瞬間に焦点を当て、被写体の感情とのダイレクトな繋がりを大切にして、どんな些細なことも見逃しません。現実的で率直な性格で、その写真は謎めいた魅力のオーラを放ちます。スナップ写真の一枚一枚が並外れた創造力を感じさせる貴重な要素です。

これまでに被写体となった主な人々
アリアナ・グランデ、ジュリアン・ムーア、ジゼル・ブンチェン、ナオミ・キャンベル、ライアン・ゴズリング、ケイティ・ペリー、オーランド・ブルーム、ティモシー・シャラメ、リース・ウィザースプーン、エヴァ・ロンゴリア、テイラー・スウィフト、サルマ・ハエック、アントニオ・バンデラス、クリストフ・ヴァルツ、キャメロン・ディアス、ジェシカ・チャステイン、ケイティ・ホームズ、グウィネス・パルトロー、ケイト・ウィンスレット、ハル・ベリー、ユマ・サーマン、ゾーイ・サルダナ、セレーナ・ゴメス、クリスティアーノ・ロナウド、イリーナ・シェイク、ジジ・ハディッド、エイドリアン・ブロディ、ロジャー・フェデラー

コラボレーション

ラベル用紙: Fedrigoni Self-Adhesives社
本プロジェクトには接着紙DUNE CLASSIC WHITE WS FSC™が使われています。FSC認証取得の白色天然紙で、表面がなめらかなので今回のTramArt作品に最適です。適切な材料を選ぶことでパッケージ全体が引き立ちます。これはブランドとその特色を高めて差別化を図るための大切な要素です。

ラベル印刷: Tonutti Tecniche Grafiche社
本プロジェクトのパートナーは、フリウリ地方の老舗Tonutti Tecniche Grafiche社です。高級ラベル印刷を専門とするフランスのグループ企業Alliance Etiquettesに属する会社です。「サン・マルツァーノワインのTramArtシリーズのラベル印刷は、もはやTonutti社にとって恒例の行事となっており、毎年この記念すべきプロジェクトを心待ちにしています。」とは、マーケティング責任者のバルバラ・パニュッティ氏の言葉。「2024年版のジャンパオロ・ズグーラのラベルは、デジタル式4原色写真製版を用いて6つの異なる画像を印刷しました。まさに色彩のシンフォニーといえるような出来映えです。デジタル印刷では、わずかな変化でも彩度に影響が生じるため、生産プロセス全体で安定した品質を確保すべく当社でも細心の注意を払いました。異なるラベルでも、このシリーズのワインであることが一目で分かるディテールが2つあります。それは半光沢インクで印刷された見え隠れするロゴとエレガントなブロンズラミネートです。」